WiebDAVという規格があるらしい。
WebDAVは、Webサーバに対して直接ファイルのコピーや削除を行ったり、ファイル所有者や更新日時などのファイル情報を取得・設定する機能といった分散ファイルシステムで、HTTP 1.1を拡張したプロトコルで実現される。
c.f. WebDAV - Wikipedia
業務用のストレージサービスは専用線を引き込んだりして、特殊な環境を構築した上で利用されているが、多くの個人向けオンラインストレージサービスはブラウザや専用ツールを使用して、HTTPかFTPを用いて行われている。いちいちブラウザを起動し、認証し、ファイルを選択し、アップロードを実行する、という手間は正直面倒くさい。
これに対しこの規格に準拠したストレージサーバはネットワークフォルダとして扱えるため、エクスプローラで直接アクセスできる。OS標準のファイラでローカルディスクと同じ感覚で扱える点が大きな特徴だ。
さて、肝心のWebDAVサーバについて。悲しいかな、無償で開放してくれているところはほとんどない。なんとか見つけ出したのが
FreeDAV。ただし、使用可能スペースは100MBのみ。う〜ん、用途が限定されちゃいそうな少なさ。
オンラインストレージを利用する目的の一つとして、万が一パソコンがクラッシュした時に備えての重要データのバックアップが挙げられる。WebDAVサーバを利用すればその作業もずいぶんと気軽なものになる。ただし、ご存知のようにネットワークフォルダはドライブではないので、アプリケーションによっては参照できないことがある。常用しているバックアップアプリケーションがこのタイプだとしたら、同期やミラーリングといったバックアップアプリの恩恵に与れないかもしれない。
しかしこの懸念を解消してくれるツールがある。
NetdDiveは、WebDAVサーバをネットワークドライブとしてマウントできるので、どんなアプリケーションからも参照可能になる。
バックアップアプリケーションから直接オンラインストレージにファイルを吐き出せるとなると、スケジューリング機能などを使えばあまり意識することなく「万が一」に備えることができるようになる。
残念というか当然のことだけれども、オンラインストレージのアップロード/ダウンロードはローカル環境内のコピーとは比べ物にならないくらい遅い。
「ハードディスクがそろそろいっぱいになってきたけど、外付けHDDで机の上狭くしたくないなあ、いっちょWebDAV使ってみるべ」、という向きには実用レベルではないかもしれない。 またNetDriveにしても、まったく快適に使えるというわけではないようだ(実際俺も何度ブルースクリーンを拝まされたか・・・)。
ちなみにNetDriveは少し古いソフトであるらしく、NetDriveとしての最終バージョンは4.1.883。さらに改良を加えた最新版は「WebDrive」と名前を変えて販売されており、バージョン7。アクセスできるサーバの種類(SFTPなど)が増えたりしているようです。多数の不具合修正とパフォーマンスアップも施されています。日本語版はマロンクラフト社(Marron Craft)より販売されており、バージョン6これもバージョン7。本家の英語版とリビジョンも同じです。日本円で普通に購入でき、シングルライセンスで 6880円。NetDrive4.1xとの違いはこちらで確認できます。
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/040515/n0405154.html
そのWebDriveのレビューページ。スクリーンショットを見るかぎりは、日本語化されている以外はNetDriveとよく似ていますが、不具合が多数修正されているWebDriveを試してみるのもよさそうに思います。普通にFTPとして使うぶんにはNetDriveで十分だと思いますが、シェル拡張としてローカル感覚で使うには普通のFTPクライアントとはノウハウが違います。
c.f. NetDrive.exe - ローカルディスク感覚でFTP上のファイルを読み書き | kyms
※ひゅうい注:上記は少々古い記事なので確認したところ、WinDriveの2008年02月10日現在の最新バージョンは8.0.0
フリーで使えるのはありがたいのだが品質もそれなり。バックアップという重大処理に信頼の薄いアプリケーションを使うのも考えてみれば危険なことだ。そのあたりの最終判断は読者の皆さんにお任せします。
NetDriveのダウンロードは分かりにくいので、
NetDrive日本語化パッチの解説を参考にすると良い。ところで、上記の引用文中にもあるが、NetDriveはFTPサーバとも接続できるらしい。試しに無料ホームページサービスでアカウントを作り接続してみた。うん、見事に繋がった。件のホームページスペースは容量無制限を謡っているので、果てしなくアップロードできてしまう。上限のないドライブを手にしたも同然だが、上述のように速度パフォーマンスは実用レベルではないし、第一こんな使い方は利用規約違反だ。そのうちアカウントを抹消されるだろう。あくまで今回は実験用。良い子はマネしないように。
■おまけ■
Gmailアカウントを持っている人には
GMail Drive shell extensionというのもあります。
Google公式でないうえに、むしろ迷惑がられているそうで、Google側で度々規制を設けてるらしい。ついでにこちらも紹介→
Gmailツール日本語化パッチ 配布俺の環境ではなかなかエラーを吐きまくってくれるし、バックアップアプリからの参照も微妙なんで使用中止。
ブラウザ経由は面倒だという話と矛盾してしまうが、Firefoxを常用している人には
Gspaceというアドオンもある。こちらはわりと安定して使え、Gmailの転送量上限である20MB以上のファイルは適度に分割アップロードもしてくれてお薦め。
ただし、Gspaceを使ったダウンロード(=Gmailからのメール送信)の時には注意。SPAM発信を回避するため同時発信件数に制限がある。あんまり大量のファイルをいっぺんにダウンロードしようとすると、アカウントロックされてしまい、最大24時間アカウント自体が使用不可能になる。
でもまあ、無料の6GB(2008年02月16日現在)のストレージ量はやっぱり魅力的だよね。
posted by Huwy at 07:16
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